12年ぶりの仙台――東北地区夏季審査会




8月1日、仙台市内において、芦原会館東北地区夏季審査会を開催しました。
芦原英典館長が仙台にお越しになるのは、東日本大震災後に一度ご来訪いただいて以来、実に12年ぶりとなります。
開催に先立ち、先日の熊本での震災により被災された皆様に、東北地区メンバー一同、心よりお見舞い申し上げます。
震災を経験した私たち東北の仲間にとって、被災地の状況は決して他人事ではありません。一日も早い復旧と、皆様に平穏な日常が戻ることを心より願っております。
今回の審査会は、主管道場である仙台支部・佐藤健二支部長のもとで運営され、東北各地から総勢60名近くの受験者が集まりました。
会場には、審査を前にした緊張感と、これまで積み重ねてきた稽古の成果を出し切ろうとする熱気が満ちていました。
受験者一人ひとりが、芦原英典館長に日頃の稽古成果を直接見ていただけたことは、何ものにも代えがたい貴重な経験になったと思います。
今回、館長が特に説かれていたのが、サバキにおける「ポジショニング」の重要性です。
私なりに整理すると、
受け――相手の攻撃を角度で処理する。
↓
ポジショニング――相手の正面から外れ、「相手の前に自分はいないが、自分の前には相手がいる」位置を取る。
↓
崩し――今回は、相手を掴まずに崩す技術をご指導いただく。
この一連の展開を、受けてから動き、位置を取り、それから崩すという「直列的な動き」にするのではなく、限りなく同時性の高い「並列的な動き」へと高めていくこと。
そこに、サバキの奥深さがあるのだと感じました。
これまで身体感覚を頼りに行ってきたサバキを、より正確な角度、距離、タイミング、位置取りへと磨き上げていく――。
「体感的なサバキ」から「精度の高いサバキ」へ。
これが、今回のご指導から私自身が受け取った、今後の大きな稽古テーマです。
同時に、今回の審査会を通じて改めて感じたのが、シニア世代が安全に、健康的に、そして長く続けられる稽古メニューの必要性です。
年齢を重ねれば、体力、柔軟性、関節の可動域、回復力には個人差が生まれます。若い頃と同じ強度や方法を求めるのではなく、それぞれの年齢や身体の状態に応じて、無理なく技術を深められる稽古体系が必要です。
準備運動、姿勢、呼吸、体幹、バランス、受け身、サバキの基本動作を丁寧に積み重ね、過度な接触や無理な反復を避けながら、正確なポジショニングと身体操作を身につけていく。
サバキは、力と力を正面からぶつけ合うだけの技術ではありません。
相手の力を受け流し、角度を変え、危険な位置から外れながら、自分に有利な場所へ移動する。その考え方は、体力に頼り過ぎないという意味でも、シニア世代に適した武道的価値を持っていると感じます。
健康維持、転倒予防、護身、精神的な充実、仲間との交流。
こうした要素を取り入れた「シニア向け芦原カラテ」の稽古メニューを、東北地区としても研究し、開発していく必要があります。
審査や競技だけを目的とするのではなく、年齢を重ねても、その人なりの目標を持って稽古を続けられること。
若い世代には強さと成長を、壮年・シニア世代には健康と生きがいを、そして指導者には次世代へ伝える使命を与えてくれること。
芦原カラテは、世代を超えて学び続けることのできる「生涯武道」であるべきだと考えています。
今回の館長のご指導を、技術の向上だけで終わらせることなく、誰もが安全に、長く、深く学べる稽古環境づくりへとつなげていきたいと思います。
ご多忙の中、遠路仙台までお越しいただき、直接ご指導くださいました芦原英典館長に、東北地区一同、心より感謝申し上げます。
また、各地から受験者を引率し、審査、指導、運営にご尽力いただいた各支部の先生方にも、厚く御礼申し上げます。
先生方の日頃からの熱心なご指導と支えがあってこそ、今回の審査会を盛会のうちに終えることができました。
そして審査会後は、お楽しみの懇親会。
厳しい稽古と審査で汗を流した後、同じ道を歩む仲間と酌み交わす酒は、やはり格別です。
技の話、指導の話、道場の話、シニア世代の稽古のあり方、そして、これからの芦原カラテの話――。
始まった空手談義は、いつまでも尽きることがありません。
12年ぶりの館長仙台来訪。
技を学び、仲間との絆を確かめ、生涯武道としての芦原カラテの未来を考える、忘れられない一日となりました。
ご指導、ご協力をいただいたすべての皆様に、改めて感謝申し上げます。
押忍。
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